国内株式議決権行使ガイドライン

当社の議決権行使におけるガイドラインは、以下のとおりです。
ただし、当社のお客さまの利益極大化に資することが議決権行使の目的であり、対象企業の状況等を踏まえ、ガイドラインと異なる判断が適切と考えられる場合は別途協議を行い、ガイドライン以外の内容での行使も可能とします。

国内株式議決権行使ガイドラインの改訂について

当社は、定期的・継続的にガイドラインの内容を精査し、必要に応じて改訂を行っています。
また、改訂後のガイドラインについて、適用日よりも事前に開示することで、次の株主総会までの十分な準備期間の確保と、投資先企業との効果的な対話機会の増加を目指します。

議決権行使とエンゲージメントの関係

議決権行使はエンゲージメント活動のなかで最も効果的かつ重要な手段であると考えます。日々の企業とのエンゲージメントにおいて、コーポレートガバナンス・コード改訂を踏まえたエンゲージメントを実施しており、その改訂内容を社内ESG評価のG(ガバナンス)格付評価基準に反映しています。改訂されたコードのうち一部の重要課題は、G格付評価項目だけでなく議決権行使の基準にも反映し、格付が低い企業に対してESG対話の際にエンゲージメントによる改善が見込まれないと判断した場合には、会社側提案に反対の行使をします。今後も、評価項目について、コーポレートガバナンス・コードやSDGs、世界的な政策等(例:ダイバーシティやネットゼロへの取組み)を踏まえ、より最適なものへと定期的に見直しを進めます。

行使方針

原則、以下のガイドラインに沿って議決権行使を実施する。ただし、あくまでも顧客および受益者の利益極大化に資することが議決権行使の目的であり、当該企業の状況等を踏まえ、ガイドラインと異なる判断が適切と考えられる場合は別途協議を行い、ガイドライン以外の内容での行使も可能とする。
主な例として、①配当性向が25%未満だが、成長期待が高く、キャッシュを内部留保や投資に振り向けることが望ましい場合、②当該企業とのエンゲージメントの結果、会社提案議案が妥当と判断、もしくは将来改善が期待されると判断された場合、などがあげられる。

また、組織の機関設計の変更はガバナンス改善をもたらすと考えられることから、変更に伴う役員報酬等の議案は、議案個別で見れば反対すべき条件であっても原則賛成とする。

1. 剰余金処分案等

企業は長期的な投資計画・資本政策との適切なバランスを考慮しつつ、株主に対する利益配分を決定すべきである。資本収益性の水準を勘案した上で、株主への還元が低水準にある企業の場合、剰余金処分に対して原則として反対する

以下のいずれかの基準に該当する場合、原則反対する

  1. (1)配当性向25%未満、かつ、ROEが3期連続で8%未満の場合
    • 但し、当期利益が赤字の場合、自然災害等といった経営陣が管理できない一時的な要因であれば、財務状況等を勘案して判断する
    • なお、剰余金処分案の決定を取締役会に授権している場合、取締役選任議案に原則反対する(2.取締役の選任 1.(3)参照)
  2. (2)2期連続配当性向100%以上
  3. (3)情報開示姿勢に問題がある場合
  4. (4)不祥事・反社会的行為により決算未開示となっている場合

2. 取締役の選任(補欠取締役の選任を含む)

取締役会は、株主に対する受託者責任および説明責任を踏まえ、企業の持続的成長と中長期的な企業価値向上のため、収益力・資本効率等の改善を図ることが重要である。また、株主に代わって経営の執行を監督するための能力と経験を有し、十分な機能を果たすことのできる適切で多様な人材によって構成されるべきである

以下のいずれかの基準に該当する場合、原則、代表取締役に反対する(3.社外取締役基準、6.その他を除く)

  1. 1.数値基準
    1. (1)営業利益が2期連続で赤字の場合
    2. (2)ROEが3期連続で8%未満の場合
    3. (3)剰余金処分案の決定を取締役会に授権しており、配当性向が25%未満の場合
    4. (4)取締役の人数が21名以上の場合
    5. (5)社内取締役を合理的理由かつ詳細な説明なく増員する場合
    6. (6)独立社外取締役の人数が1名以下、または1/3未満の場合(親会社が存在する場合、独立社外取締役の人数が半数以下の場合)
    7. (7)社外取締役が減員する場合(監査等委員会設置会社への移行の場合、移行前の社外取締役と社外監査役の合計人数との比較)
      但し、減員後の社外取締役の取締役会割合が減員前の同比率以上となる場合、原則賛成する
    8. (8)不祥事・反社会的行為により決算未開示となっている場合
    9. (9)政策保有株式の保有額が純資産の10%以上の場合
  2. 2.反社会的行為基準(以下のいずれかの基準により、候補者ごとにも賛否を判断する)
    1. (1)企業に反社会的行為があり、その責任が重いと判断される取締役が辞任等していない場合
    2. (2)企業に反社会的行為があり、その責任が重いと判断される役職員が取締役に選任される場合
    3. (3)選任される取締役に著しく株主利益を毀損する可能性のある人物が含まれている場合
  3. 3.社外取締役基準(以下のいずれかの基準により、候補者ごとに賛否を判断する)
    1. (1)社外取締役の独立性が保たれていない場合(下記※参照)
    2. (2)社外取締役の取締役会の出席率が75%未満の場合
    3. (3)当該会社を含む社外役員の兼任社数が5社以上の場合
      • (1)の独立性については以下のいずれかの基準で判断する。但し、経歴等から見て高く企業価値向上に資する候補者である場合には賛成する事も検討する

        a. 過去10年内に当該会社、子会社、親会社、兄弟会社の業務執行者でないこと

        b. 過去1年内に当該会社の主要取引先(売上3%以上)、当該会社を主要取引先とする会社等の業務執行者でないこと

        c. 過去1年内にコンサルティングや顧問契約などの重要な取引関係があるコンサルティング会社、監査法人、弁護士事務所、会計事務所等に所属していないこと

        d. 過去10年内に主要な借入先(事業報告書記載)である金融機関の業務執行者でないこと

        e. 主要株主(持ち株比率10%以上または上位10位内)またはその業務執行者でないこと

        f. 過去1年内において、候補者が所属する機関(大学、基金等)に対して寄付が年間1,000万円を超えないこと

        g. 当該企業での累積在任期間が10年超でないこと

        h. その他、近親者など独立性があると判断できない場合

  4. 4.買収防衛策基準
    • 買収防衛策を導入する、もしくは既に導入している企業の取締役選任議案については、代表取締役の選任に原則反対する。ただし、以下のいずれかの要件を満たす場合賛成する
      1. (1)株主総会で買収防衛策の発動を決議する場合
      2. (2)独立社外取締役が過半数を占める場合
  5. 5.情報開示基準
    1. (1)情報開示姿勢に問題がある場合
  6. 6.その他
    1. (1)必要あれば、特定候補者の選任に反対することができる

3. 監査役の選任(補欠監査役の選任も含む)

監査役会は、株主に対する受託者責任および説明責任を踏まえ、取締役の職務執行の監査等において、独立した立場において適切な判断を行うことが重要である。また、株主に代わって取締役の業務を監査することのできる適切な人材であることが期待される

以下のいずれかの基準に該当する場合、原則、代表取締役に反対する(3.社外監査役基準、5.その他を除く)

  1. 1.数値基準
    1. (1)社外監査役の人数が減員する場合
    2. (2)監査役総数の人数が合理的理由なく減員する場合
  2. 2.反社会的行為基準(以下のいずれかの基準により、候補者ごとにも賛否を判断する)
    1. (1)企業に反社会的行為があり、その責任が重いと判断される監査役が辞任等していない場合
    2. (2)企業に反社会的行為があり、その責任が重いと判断される役職員が監査役に選任される場合
    3. (3)選任される監査役に著しく株主利益を毀損する可能性のある人物が含まれている場合
  3. 3.社外監査役基準(以下のいずれかの基準により、候補者ごとに賛否を判断する)
    1. (1)社外監査役の独立性が保たれていない場合(下記※参照)
    2. (2)社外監査役の取締役会、監査役会出席率のいずれかが75%未満の場合
    3. (3)当該会社を含む社外役員の兼任社数が5社以上の場合
    • (1)の独立性については、社外取締役と同様の基準を適用
  4. 4.情報開示基準
    1. (1)情報開示姿勢に問題がある場合
  5. 5.その他
    1. (1)必要であれば、特定個人の選任に反対することができる

4. 定款の変更

定款は企業のコーポレートガバナンス・企業経営の仕組みの根本ルールを定めるものである。定款変更に係る議案については、長期的な株主価値の向上または株主価値の毀損の防止の観点から、個別に判断する

  1. 1.監査等委員会設置会社・指名委員会等設置会社への移行等
    • 企業統治の改善をもたらすと考えられることから、原則賛成する
  2. 2.取締役等に関する基準
    • 取締役の定員枠数が21名以上となる場合は原則反対する
    • 取締役の定員枠数を合理的理由かつ詳細な説明なく増員する場合、原則反対する(但し、上記1.には適用しない)
    • 取締役会長とCEOの分離は原則賛成する
    • 執行役員制度、監督と執行の分離には原則賛成する
  3. 3.授権資本枠の変更
    • 原則賛成する
    • 但し、資本政策や業績に対して懸念がある場合、反対することを検討する
    • なお、授権資本枠の具体的拡大事由が不明であり、100%を超える授権資本枠の拡大には、原則反対する
  4. 4.種類株式の発行等
    • 株主利益の観点からその影響を検討し判断する
    • なお、買収防衛策との関係等、普通株式とは異なる議決権や特別な拒否権、譲度制限等を有する新種株式の創設に対しては原則反対する
  5. 5.取締役等の責任の軽減
    • 株主の利益が損なわれないかどうかを検討し判断する
  6. 6.剰余金の配当等についての権限の取締役会への付与
    • 剰余金配当案を株主総会から取締役会決議に変更する議案には、原則賛成する
    • 但し、剰余金配当案に対する株主提案を排除する定款変更には、原則反対する
  7. 7.取締役の解任要件の変更
    • 取締役の解任要件を強化する議案には、原則反対する
  8. 8.株主総会における決議(特別決議および特殊決議を含む)の定足数・決議要件変更
    • 少数株主利益を損ねる可能性があると考えることから、原則反対する
  9. 9.発行可能株式総数
    • 合理的な理由のない発行可能株式総数の過度な増加には原則反対する
    • また、買収防衛策に係る発行可能株式総数の拡大の場合には原則反対する
  10. 10.上記以外の事項に係る変更
    • 原則賛成する
      • 但し、(半)恒久的とは言えない一時的な業務執行や経営目標に係る事項等、明らかに定款において定めることが不適切な事項を除く

5. 取締役・監査役の退職慰労金・弔慰金

退職慰労金は、中長期的な企業価値最大化の観点から、経営者に対する適切なインセンティブとなっていると判断できる場合には賛成する

  1. 1.以下のいずれかの基準に該当する場合、原則反対する
    • 金額が具体的に開示されてない場合
    • 対象者に社外取締役もしくは社外監査役が含まれる場合
    • 金額が具体的に開示されている場合、または金額が具体的に開示されていないが一人当りの金額を推察できる場合で、以下のいずれかの基準に該当する場合
      1. (1)営業利益が2期連続で赤字の場合
      2. (2)ROEが3期連続で8%未満の場合
  2. 2.金額が具体的に開示されている場合、または金額が具体的に開示されていないが一人当りの金額を推察できる場合で、以下のいずれかの基準に該当する場合には反対することを検討する
    1. (1)企業に反社会的行為があった場合で、その責任が重いと判断される取締役・監査役を含む報酬額にかかる議案である場合
    2. (2)金額が社会通念上明らかに多額である場合や、金額が妥当な水準であるかどうかの判断ができない場合
    3. (3)在任期間等から判断して、支給対象として適切性に疑念が生じる場合
  3. 3.退職慰労金・弔慰金制度の廃止
    • 原則賛成する
    • 但し、上記制度廃止にともなう清算金の支給については、金額が具体的に開示されてなく一人当りの金額水準を推察できない場合、反対することを検討する

6. 役員報酬

企業の持続的成長と中長期的な企業価値の向上を担う経営者の報酬制度は、業績連動報酬や株式報酬など長期的な業績に連動した合理的なものであることが望ましい。報酬額については、会社業績や株主への利益配分の観点から適切な水準であるかを精査する

  1. 1.役員報酬額の改定
    • 原則賛成するが、以下のいずれかの基準に該当する場合は増額改訂には原則反対する
      1. (1)業績の改善が認められない場合
      2. (2)当該企業の財務内容が著しく困難な状況にある場合
      3. (3)情報開示姿勢に問題がある場合
      4. (4)反社会的基準に該当する場合(2.取締役の選任 2.参照)
    • なお、退職慰労金の廃止と合わせた役員報酬の改定には、原則賛成する
  2. 2.役員賞与の支給
    • 以下のいずれかの基準に該当する場合、原則反対する
      1. (1)営業利益が2期連続で赤字の場合
      2. (2)ROEが3期連続で8%未満の場合
      3. (3)情報開示姿勢に問題がある場合
      4. (4)対象者に監査役が含まれる場合
      5. (5)反社会的基準に該当する場合(2.取締役の選任 2.参照)
  3. 3.株式報酬
    • 以下のいずれか((1)および(2))に該当する場合、原則反対する
      1. (1)ストックオプション(新株予約権)
        • 発行済株式数の5%以上が付与される場合
        • 付与対象者が監査役の場合
        • 未行使分の行使価格引き下げなど権利行使価格を変更する場合
        • 市場価格を下回る権利行使価格に設定する場合
          但し、株式報酬型ストックオプションは除く
        • 権利付与から権利行使までの期間が3年未満の場合
        • 買収防衛策の一環として新株予約権の発行が行われると判断される場合
      2. (2)現物型株式報酬(株式交付信託、特定譲渡制限付株式など)
        • 発行済株式数の5%以上が付与される場合
        • 付与対象者が監査役の場合
        • 株式付与から売却までの期間が3年未満の場合

7. 会計監査人の選定

原則賛成するものの、以下のいずれかの基準に該当する場合には反対することを検討する

  1. (1)当該企業が会計方針の相違を前提に会計監査法人を変更しようとする場合
  2. (2)指名された会計監査人が当該企業の全株主の利益代表にはなり得ないと判断される場合

8. 組織再編関連(合併、営業譲渡・譲受、株式交換、株式移転、会社分割等)

株主の利益が損なわれないかどうか検討し判断するものの、以下のいずれかの基準に該当する場合には反対することを検討する

  1. (1)買収等における対価の水準が適正でないと判断される場合
  2. (2)判断に必要となる情報開示が行われない場合
  3. (3)買収防衛策の一環として買収等の提案が行われると判断される場合

9. その他会社提案

提案内容に応じ、以下に従い賛否を判断する

  1. 1.自己株買付枠の設定、自己株式の取得
    • 原則賛成するものの、資本政策や業績に対して懸念がある場合、反対することを検討する
  2. 2.第三者割当増資
    • 株主の利益が損なわれないかどうか検討し判断するものの、以下のいずれかの基準に該当する場合には反対することを検討する
      1. (1)特定の株主の利益(目安:時価の90%未満の価格での発行)となる場合
      2. (2)第三者割当増資により調達された資金の使用目的、第三者割当増資の必要性に関し十分な情報開示が行われない場合
  3. 3.資本減少
    • 株主の利益が損なわれないかどうか検討し判断する
  4. 4.買収防衛策
    • 買収防衛策を導入する場合、もしくは更新する場合には、原則反対する。ただし、以下のいずれかの要件を満たす場合賛成する
      1. (1)株主総会で買収防衛策の発動を決議する場合
      2. (2)独立社外取締役が過半数を占める場合
  5. 5.取締役・監査役の解任
    • 株主の利益が損なわれないかどうか検討し判断する
  6. 6.上記以外で定款変更でないもの
    • 株主の利益が損なわれないかどうか検討し判断する

10. 株主提案

  • 上記1.~9.の基準と矛盾する場合、反対する
  • 特定の一部の株主の利益となる場合、原則反対する
  • 一般株主の利益やコーポレートガバナンス改善に資すると判断出来る場合、個別精査する
    但し、以下の場合においては原則賛成する
    1. (1)役員報酬額の開示等の場合
    2. (2)取締役会議長と最高経営責任者の分離を促す場合

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